ジャンプ+で連載中の『ふつうの軽音部』、毎週の更新が楽しみで仕方ありません。主人公の鳩野ちひろちゃんたちがバンド活動を通して成長していく姿には、かつて音楽に触れたことがある人なら誰もが胸を熱くするのではないでしょうか。
この作品の大きな魅力の一つが、作中に登場する実在の邦ロック楽曲やバンドの元ネタですよね。ピロウズやナンバガといった渋い選曲を見て、思わずSpotifyでプレイリストを作ってしまったという方も多いはずです。
今回は、第1話から最新話までに登場した楽曲の一覧や、初心者でも挑戦しやすいギターのコード進行、さらには将来的なアニメ化への期待なども含めて、私なりに作品の音楽的な面白さをまとめてみました。
この記事のポイント☝️
- 第1話から最新話までの登場曲と元ネタバンドが一覧でわかる
- 主人公たちが使用しているギターやエフェクターのモデルがわかる
- ギター初心者におすすめの練習曲やコード進行のポイントがわかる
- 作中の音楽描写から読み解くキャラクターの心情や魅力がわかる
ふつうの軽音部の登場曲と元ネタ一覧

ここでは、作品を彩る数々の名曲たちを振り返ってみたいと思います。単なるBGMとしてではなく、キャラクターの心情や物語の展開と深くリンクしているのがこの漫画の凄いところですよね。
第1話の登場曲とFunny Bunny
物語の始まりを告げる最も重要な楽曲といえば、やはり第1話で鳩野ちひろが部室で弾き語りをしたthe pillows(ザ・ピロウズ)の『Funny Bunny』ですよね。
この曲は1999年のアルバム『Happy Bivouac』に収録されている曲なんですが、シングルカットされていないにもかかわらず、アニメ『フリクリ』や『SKET DANCE』などでも引用され、世代を超えて愛され続けている名曲です。
漫画の中でちひろが「キミの夢が叶うのは誰かのおかげじゃない ぜんぶやって確かめればいいだろう」という歌詞を噛みしめるように歌うシーン、本当にグッときました。流行りの曲ではなく、あえてこの渋いオルタナティブロックを選ぶあたりに、彼女の「ふつう」だけど芯のある性格が表れている気がします。
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最新話までの話題楽曲まとめリスト

これまでに作中で演奏されたり、話題に上がったりした楽曲をリストにまとめてみました。こうして見ると、作者の方の音楽愛が半端ないことがわかります。
| 登場話数 | 曲名 | アーティスト(元ネタ) | シーンの概要 |
|---|---|---|---|
| 第1話 | Funny Bunny | the pillows | 鳩野ちひろが部室で弾き語りをする、物語の始点となるシーン。 |
| 新歓編 | 小さな恋のうた | MONGOL800 | 先輩バンドが新入生歓迎ライブで演奏。軽音部の「定番曲」として登場。 |
| 結成初期 | 青い車 | スピッツ | 鳩野たちがバンドで最初に合わせる課題曲として選曲。 |
| 練習中 | リライト | ASIAN KUNG-FU GENERATION | スタジオの会話などで言及。世代を超えたロックの共通言語的扱い。 |
| 随所 | 透明少女 | NUMBER GIRL | リンタくんが崇拝するバンドの代表曲。鋭角的なギターサウンドの象徴。 |
登場バンドの元ネタとピロウズ

本作においてthe pillowsは、主人公・鳩野ちひろの精神的支柱とも言える重要なバンドです。彼らはGLAYやミスチルと同期でありながら、スタジアムでの大規模ライブよりもライブハウスでの活動を貫いてきた、「売れないが長く愛される」バンドとして知られています。
このスタンスが、「特別ではない自分たちがどう音楽と向き合うか」という『ふつうの軽音部』のテーマと見事に共鳴しているんですよね。ちひろが使用しているギターのエフェクター(BOSS BD-2)も、the pillowsの山中さわおさんが愛用していることで有名です。
スピッツや銀杏BOYZの楽曲解説
ピロウズ以外にも、重要な役割を果たすバンドが登場します。
まずはスピッツ。作中で課題曲として選ばれた『青い車』ですが、爽やかなメロディの裏で「死」や「心中」を想起させる歌詞の世界観があることはファンの間では有名です。高校生たちが、ちょっと背伸びをしてこの「深みのある曲」を選んでしまうリアリティが絶妙ですよね。
そして、感情が爆発するような熱いシーンで見え隠れするのが銀杏BOYZ(またはGOING STEADY)です。キラキラした青春だけじゃない、汗と涙でぐちゃぐちゃになるような泥臭い青春。そんな瞬間に彼らの楽曲はぴったりハマります。キャラクターが叫ぶシーンなどは、峯田和伸さんのパフォーマンスを彷彿とさせます。
作中曲のSpotifyプレイリスト
漫画を読みながら、実際にその曲を聴いてみたい!という方は、ぜひ音楽ストリーミングサービスを活用してみてください。
Spotifyなどで「ふつうの軽音部」と検索すると、有志の方が作成したプレイリストが見つかることもありますし、自分で作ってみるのも楽しいですよ。私は勝手に「リンタくんが聴いていそうな曲」というテーマでプレイリストを作って、通勤中に聴いてニヤニヤしています。
プレイリストに入れるべき鉄板曲
- the pillows / Funny Bunny
- スピッツ / 青い車
- NUMBER GIRL / 透明少女
- MONGOL800 / 小さな恋のうた
- ASIAN KUNG-FU GENERATION / リライト
- 銀杏BOYZ / エンジェルベイビー
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ふつうの軽音部の登場曲をより楽しむ視点

楽曲を知るだけでも楽しいですが、楽器や演奏の視点を持つと、この漫画はもっと面白くなります。ここでは、機材や演奏に関するマニアックな視点を紹介します。
鳩野ちひろのギターと使用機材
ちひろちゃんが使っているギター、可愛い色ですよね。作中の描写やカラーイラストから推測するに、あれはFender(フェンダー)のストラトキャスターだと思われます。色はソニックブルーかダフネブルーといったパステル系のブルーでしょう。
この色は、the pillowsの山中さわおさんが使っているギター(サイクロンなど)の色味にも近く、彼女のピロウズ愛を感じさせます。また、彼女が足元に置いているエフェクターも見逃せません。
| 機材名 | 特徴と推測される理由 |
|---|---|
| BOSS BD-2 (Blues Driver) | 邦ロックの「神器」とも呼ばれるオーバードライブ。プロ・アマ問わず愛用者が多く、ピロウズも使用していることから、ちひろが最初に選ぶ歪みペダルとして最適。 |
| ProCo RAT | より激しい歪みが欲しい場面で登場しそうなディストーション。椎名林檎さんやNUMBER GIRLの向井秀徳さんが使用していることでも有名。 |
初心者が弾きやすい曲とコード

「漫画を読んでギターを始めたくなった!」という方に、私が最初におすすめしたいのも、やはり『Funny Bunny』です。
この曲はコード進行が比較的シンプルで、G-D-Em-Cといった基本的なコードの繰り返しが多いんです。テンポも速すぎないので、弾き語りの練習にはもってこいです。「Fコード」で挫折しそうな人でも、この曲なら楽しみながら練習を続けられるかもしれません。
一方で『青い車』は、バンドで合わせる時の基礎(アルペジオや8ビートのルート弾き)が詰まっています。ドラムやベースも含めて、それぞれのパートが「何をしているか」が分かりやすいので、初めてのバンド練習曲として作中で選ばれたのも納得です。
ナンバガなど邦ロック用語解説

作中では、リンタくんを中心に少し専門的な音楽用語やバンド名が飛び交います。知っておくとより楽しめるキーワードをいくつか解説します。
NUMBER GIRL(ナンバーガール)
通称「ナンバガ」。90年代後半〜00年代前半の日本のロックシーンに衝撃を与えたバンドです。「殺伐」とした空気感や、鋭角的なギターサウンドが特徴。作中で張り詰めた空気が流れるシーンは、まさにナンバガ的な緊張感と言えます。
テレキャスターとストラトキャスター
どちらもフェンダー社の代表的なエレキギターですが、音が違います。テレキャスター(ナンバガの向井秀徳などが使用)は「ジャキッ」とした硬い音、ストラトキャスター(ちひろが使用)はもう少しバランスの取れた煌びやかな音が特徴です。
アニメ化での演奏シーンを予想
これだけ人気が出ている作品ですから、アニメ化への期待も高まりますよね。もしアニメ化されたら、一番の注目ポイントはやはり演奏シーンの音でしょう。
『ぼっち・ざ・ろっく!』の大ヒット以降、アニメのバンド演奏シーンに対する視聴者のハードルはかなり上がっています。ですが、『ふつうの軽音部』の魅力は「超絶技巧」ではなく「等身大の高校生の演奏」にあると思います。
プロが弾くような完璧な音ではなく、あえて少しリズムが走ったり、ミストーンがあったりする「ふつう」の演奏がアニメで再現されたら、きっと感動して泣いてしまう自信があります。声優さんが誰になるのかも含めて、公式の発表を待ちたいですね。
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漫画全巻で読む音楽描写の魅力
この作品の凄さは、音が出ない漫画という媒体で、空気感としての「音」を描いている点にあります。
第1話の弾き語りシーンでは、派手なエフェクトではなく、歌詞と表情、そして「空間」を使って音が表現されていました。これはthe pillowsの楽曲が持つ、どこか浮遊感のあるサウンドイメージとも合致しています。
単行本でまとめて読むと、ちひろたちの演奏技術が少しずつ上達していく過程や、選曲の変化などがより明確に見えてきます。「あの時の選曲にはこういう意味があったのか!」という発見もあるので、ぜひ全巻通して読んでみてください。
ふつうの軽音部の登場曲解説まとめ
今回は『ふつうの軽音部』に登場する楽曲や元ネタについてまとめてみました。
ただ曲を紹介するだけでなく、その曲が持つ背景や、キャラクターがなぜその曲を選んだのかという文脈を知ると、作品の面白さが何倍にも膨れ上がりますよね。the pillowsの『Funny Bunny』やスピッツの『青い車』など、往年の名曲たちがこうして新しい世代に受け継がれていく様子を見るのは、音楽ファンとして本当に嬉しいことです。
もしこの記事を読んで「ギターを始めてみたい」「久しぶりにバンドをやりたい」と思った方は、ぜひその衝動を大切にしてください。ちひろちゃんのように、まずは「ふつう」のままで、好きな曲を鳴らしてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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